
ふだんは仕事に追われて、なかなかページが進まない読書。
それでも「この本だけは」と思わせてくれる作品に出会えると、ふっと心が整う瞬間がある。
今回ご紹介するのは、そんなふうに“読む手が止まらない”密室ミステリー。
とりわけ「読書から少し離れていたけれど、また戻ってきたい」そんな人にも届けたい3冊です。
自分を取り戻すように、一気読みしたくなるミステリーたち。
📘1|『方舟』夕木春央(講談社)

閉ざされた空間で、選択を迫られる人々。
とある地下シェルターに避難した9人が、外部との通信を断たれ、出口も閉ざされた状態で殺人事件に巻き込まれていく。
まるで極限の実験。倫理と理性が試される、密室心理スリラーです。
あまりにも有名になった作品だけれど、やっぱりこれは外せない。
実は私自身、読書から少し離れていた時期に読んだ1冊でもあって。
ラストまで一気に駆け抜けて、「やっぱり本っていいな」と思い出させてくれた特別な存在です。
読後、冷たい手で胸をぎゅっと掴まれるような衝撃があります。
誰かと感想を語りたくなる本。
📕2|『十角館の殺人』綾辻行人(講談社文庫)
「ミステリの扉を開ける鍵」のような1冊。
孤島、洋館、匿名の登場人物、謎の手紙。
古典的な設定ながら、現代読者をも虜にするスピード感と構成の巧みさに脱帽します。
密室、倒叙、叙述トリックと、ミステリ好きにはたまらない要素が詰め込まれていて、読んでいてずっとわくわくが続く。
まるで上質なパズルに向き合っているような緊張感。
真相にたどり着いた瞬間、背筋がぞくっとするのに、どこか静かな感動もあって。
クラシカルなミステリの醍醐味を味わいたい人に。
📗3|『硝子の塔の殺人』知念実希人(実業之日本社)
舞台は、雪に閉ざされた山中の“硝子の塔”。
そこに集められたのは名だたるミステリ作家たち──しかし、1人が死体で発見される。
誰もが疑わしく、そして誰もが、どこか魅力的。
小説の中で小説を読むような、二重構造の面白さも。
ミステリというジャンルへのリスペクトと遊び心が感じられる、知念さんらしい仕掛けも満載です。
読み進めるうちに、「あれ、これ伏線だったんだ…!」と気づかされてページを戻したくなることも。
なのに、結末まで一気にたどり着きたくなる不思議な吸引力があります。
📎ちょっとだけ補足

この3冊に共通するのは、“密室×一気読み”の中毒性。
読み始めたが最後、「次のページが気になる」が止まらない。
自分が「何も考えず本を読む」ことを、ちゃんと許せる時間になる。
読書って、やっぱり贅沢だと思う。
そして密室ミステリーって、その贅沢を忘れさせないジャンル。
「しばらく本を読んでないな」と思ったら。
ちょっとだけ日常のノイズから離れて、頭と心を、物語の迷宮に預けてみるのも悪くないかもしれません。
✍️選書メモ(まとめ)
・『方舟』:心理×密室×倫理。読みながら息を呑むサバイバル。
・『十角館の殺人』:クラシックでありながら革新的。ミステリの教科書。
・『硝子の塔の殺人』:読者を巻き込む仕掛けと濃厚なキャラクター描写。
気になる作品はありましたか?
次の週末は、物語の中で閉じ込められてみるのもいいかもしれません。🗝📖
⸻
今回出てきたアイテム:
硝子の塔の殺人 [ 知念 実希人 ] “>3|『硝子の塔の殺人』知念実希人(実業之日本社)
価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/7/28時点)
💡次に読みたい関連記事:
→ちいさな5分が未来を変える。毎日続けたい「ゆる勉」ブック3選
📌 実際に使っているアイテムは楽天ROOMにまとめています 🐾