
心が疲れたとき、少し立ち止まりたいとき。
猫のぬくもりに触れるように、本の中の静けさに包まれたい。
派手な展開も、強烈なメッセージもない。
でも、確かに心がゆっくりとほどけていくような本たち。
今回は、そんな「そっと寄り添ってくれる小説」を3冊ご紹介します。
読み終えたあと、猫を撫でる手が少し優しくなっていたら、嬉しいです。
1. たゆたえども沈まず(原田マハ)
― 静かに揺れながらも、前に進む勇気をくれる一冊
フィンセント・ファン・ゴッホと、彼を支えた画商テオ。
原田マハさんが描くのは、“芸術と生きることのつながり”。
読後感は、まるで深呼吸をしたあとのよう。
人生の波に揺れることがあっても、「たゆたえども沈まず」。
そんなメッセージが、静かに背中を押してくれる一冊です。
2. 蜜蜂と遠雷(恩田陸)

― 心が震えるとき、人はこんなにも強く、美しい
音楽コンクールを舞台にした群像劇。
でもこの作品の本質は、“自分と向き合う”ということ。
ページをめくるごとに、音が聴こえてくるような臨場感。
大人になっても、何かに夢中になってもいい。
そう思わせてくれる、小さな再起の物語です。
🐝 しっとりした雨の日の読書にもぴったり。
📖 蜜蜂と遠雷(上)
3. キッチン(吉本ばなな)
― 「大丈夫」が欲しい夜に、開いてほしい
家族を失った主人公が、静かに立ち上がるまでの物語。
キッチンの灯りが、心の奥まで優しく照らしてくれます。
読むたびに、新しい優しさに気づかせてくれる。
何度でも読み返したくなる、まさに“人生のお守り”のような一冊。
🍲 湯気の向こうに、猫が丸まっていそうな夜に。
📖キッチン

猫と本が好きなあなたへ。
ときには“なにも起きない物語”が、心を深く癒してくれることもあります。
私自身、焦ったり、迷ったりしている日々の中で、
静かな小説に、そっと軌道修正をしてもらっている気がします。
大切な夜に、寄り添ってくれる一冊に出会えますように。
「本と猫と。」、また次回もお楽しみに。
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